インスタ映えするからというだけで適当にガソリンランタン使ってる奴らこっち来い!
ガソリンランタン。。。
いいですよねぇ。マントルが発光する姿は独特の雰囲気があり癒やされます。画像は僕の自慢のランタンコレクションなのですがどのランタンも不具合があり、修理して直したものです。ガソリンランタンは何十年も基本設計は変わっていません。構造が単純で「不動品になりにくい」。つまりは1つあれば一生モノという存在でもあります。
ただ、それは定期的なメンテナンスと正しい使い方が必須となります。
そんなガソリンランタンですが火を使わないLEDランタンと違い手間と危険が伴います。特に皆さんに常に頭に入れておいていただきたいのが
「ガソリンに火がついた物体が頭の上にある」
ということです。これだけは絶対に忘れないでください。特にお子さんとキャンプをすることが多い方はガソリンランタンの導入には慎重になっていただきたい。
ランタンポールに吊るされたガソリンランタンは凶器と思ってください。走り回るお子さんが足を引っ掛けて倒すなんて必ず起こることだという認識でいて大丈夫なくらいです。ガソリンに火がついた物体がお子さんの頭の上に落ちてきたりテントに倒れかかったり非常に危険な状況は容易に起こります。
ですのでしっかりと仕組みを理解しより安全に使うための知識を身につけましょう。
しかし!
その知識を得るためにYouTubeで使い方を学ぼう!と思ってもですね・・・
結構間違った使い方しているYouTuber多いんですよ・・・
よくあるやーつとして
・付け始めに炎上→炎上が収まるまで追加ポンピング→炎が安定
「ポンピングすることで炎が安定しました!ドヤッ」
というもの。
あの、それ間違ってるんで。
シーズンズランタンとか200Aとか立派なランタン持ってるんだったらもっとスマートに使おうや!
ということでまずはガソリンランタンの仕組みから簡単にですが勉強してみましょう。
仕組みがわかると不具合が出てもここが原因だとわかりやすくなりますよ!
絵が下手くそ?ほっとけww
ランタンのタンク部分の内部です。
ポンピングすると内部ではどうなっているか
ポンピングをするとタンク内上部に空気が溜まってきます。そしてその空気がタンク内のガソリンを「もっと詰めろや下行けや!せめーだろ」と押し込んでいきます。
すると逃げ場を失ったガソリンは唯一の逃げ場であるバルブから伸びた管の先端にある針の穴ほどの小さなへ逃げ込みどんどんとその管を登っていきます。
バルブを締めているとそこでせき止められます。バルブを開くとジェネレーターへとガソリンが更に上がっていきます。
次の図
ランタンの上部ですね。ガラスグローブやマントルがあるエリアです。
ジェネレータへ上がってきたガソリンはどうなるの?
ジェネレータへ上がってきたガソリンはまたその先端の針ほどの穴まで上がってきます。
そしてその針穴からプシャーっと噴射されます。そこでバーナーフレームから吹き込む空気と混ざり合い霧状のガソリンが気化し、ガスとなります。そのガスが更にバーナーフレームの管を進みマントルが待ち受けている出口へ噴射される、という流れになります。
下手くそな絵で申し訳ないですがこんな感じです。簡単でしょ?非常に簡単な仕組みなんです。
で、つぎ。
「付け始めってなんで炎上するの?」
こちらも図で説明します。
先程の図と同じ感じですがみてみて!メラメラと燃えてるよ!
ジェネレータからプシャーと噴射された霧状のガソリン。この時点ではまだ気化していません。空気と混ざり合った「霧」です。つまりは超細かい液体です。
ガソリンは気化しやすいですが完全に気化するにはマントルまでの距離が短くこの霧の状態のままマントルが待ち受けている出口までいくと霧状のガソリンに引火してガソリンが「燃える」という状態になりそれすなわち「炎上」となります。
要するにガス化できていない状態で火がついているというわけですね。
じゃあ炎上しないスマートな着火はどうするの?
僕も私も玄人みたいな着火をしたいんです!という方はこちらを参照
炎上しないためにはガソリンを「完全にガス化」させることです。
ガソリンはかなり気化しやすいものですがさらに手助けをしてやります。それはガソリン自体を温めてやること、です。ジェネレーター部分にライター等で数十秒熱してやります。それからバルブを開けてやるとより気化しやすい状態になります。
そうすることでマントルがある出口までにガス化され炎上せずにマントルが発光します。
僕が以前ツイートした炎上しない着火を御覧ください。
※ターボライターで着火していますがマントルを破る場合があるので普通のライターのほうがいいと思います。
炎上しないランタン点火方法。
— りゅう@キャンプ (@ZsQHLWcYhArbbfS) December 2, 2018
キャンプ動画見てると下の穴からチャッカマン差し込んで点火し、ベンチから炎が舞い上がってその状態でシコシコ追加ポンピングするという謎の儀式()をよく見ますが面倒くさがらずグローブ取ってジェネレーターをしっかり温めてやればこの通り。 pic.twitter.com/wHPb9St2EL
野外でランタンを付ける場合、風がなければ個人的にはグローブを外して着火したほうがやりやすいと思います。風があるとマントルが破れる可能性があるのでグローブは付けたままでもいいと思います。
そして大事なのは「必ずマントルに火を近づけてからバルブを開く」ということ。
先にバルブを開いて時間が経つとずっとガソリンが噴射されたままなので火をつけるとボワッと小爆発を引き起こします。
炎上が収まりマントルの発光がチカチカと不安定になることが多いです。それはジェネレーターの先端の針穴のような出口が少し詰まっていることが原因なことが多いのでバルブを全閉、全開を数回繰り返すことで安定します。(バルブの開閉操作とジェネレータの開閉は基本的に連動しています。※286や290等最近のランタン。200A以前はジェネレーターの操作は別となっています)
最初に書いた「付け始めに炎上→炎上が収まるまで追加ポンピング→炎が安定」
それはポンピングのおかげではないというのがわかりましたか?
炎上が収まったのは単に「マントルの炎上でジェネレータが温まってガソリンが気化しただけ」
なのです。
誰が初めたかわかりませんが追加ポンピング信仰が蔓延し炎上したら追加ポンピングだ!という風潮があります。
この時点で全く仕組みをわかっておらずそういう人たちが映像に残すためどんどんそれを真似する人が増えています。
せっかくかっこいいランタン使ってても下手くそで危険な使い方してたら映えませんよぉ?
インスタやYouTuberの方は
ガソリンランタンは「危険物」ということを再度認識し、ユーザーの方々に正しくスマートに、そして安全に使っている姿を「魅せる」ことが一番の「映え」だと思います。「蝿」にならないようにね★
Twitterやってます。
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